Julia は計算系のプログラミング言語です。高速であり,分散処理も容易に行えるような設計になっています。なにはともあれインストールしないと試すことができないので,とりあえず Ubuntu にインストールしてみました。
CentOS, Mac OS X, Windows にはコンパイル済みバイナリが用意されていますが, Ubuntu のコンパイル済みバイナリはありません。仕方がないのでソースコードからコンパイルします。
git clone git://github.com/JuliaLang/julia.git cd julia/
現在のリビジョンでは configure がないので,ちゃんとした make をするには Makefile を直接いじってやる必要があります。私は Makefile に詳しくないので,修正はあきらめ,とりあえず make してからインストール先をマニュアルで指定するという方法を取りました[A]。
README にも書いてある通り, Ubuntu の場合は libncurses5-dev パッケージがあらかじめ必要になります。
sudo apt-get install libncurses5-dev
このまま make しても失敗するので, Make.inc の以下の行を修正しました。
USE_SYSTEM_READLINE=1
環境に応じて近辺の行も修正してやれば良いでしょう。私は他に USE_SYSTEM_BLAS
と USE_SYSTEM_LAPACK
を 0
から 1
に変更しました。
後は make すればコンパイルは完了です。
make
Makefile の変数をいじらずにコンパイルすると,現在のディレクトリに usr というディレクトリができます。 usr/share/usr/share/julia の中身がシンボリックリンクになっているので,実ファイルに置き換えます。
for directory in base doc examples extras test do rm usr/share/julia/${directory} cp -R ${directory} usr/share/julia/ done
usr ディレクトリをインストール先にコピーします。とりあえず /usr/local/julia をインストール先としました。
sudo cp -R usr /usr/local/julia
/usr/local/julia/bin/julia-release-readline が実行ファイルです。パスを通して実行できます。コマンド名が長いのでシンボリックリンクを作成しました。
sudo ln -s julia-release-readline /usr/local/julia/bin/julia export PATH=${PATH}:/usr/local/julia/bin
実際に実行すると以下のような感じになります。
$ julia _ _ _ _(_)_ | A fresh approach to technical computing (_) | (_) (_) | Documentation: http://docs.julialang.org _ _ _| |_ __ _ | Type "help()" to list help topics | | | | | | |/ _` | | | | |_| | | | (_| | | Version 0.0.0+102834367.rdb04.dirty _/ |\__'_|_|_|\__'_| | Commit db042046ba (2012-11-25 17:45:13)* |__/ | julia>
終了は exit()
と入力すれば OK です。
更新履歴
- [2012-11-26 06:00] シンボリックのディレクトリが誤っていたのを修正。
脚注
- いつか configure も用意されることでしょう。 [↩]