順序統計量の確率密度関数


シミュレーションを行う際に,事前分布から得た値を小さい順に並び替えて用いるというケースがあります[A]。このような場合には,並び替えた値が従う確率密度関数が必要になります。より具体的に書けば,確率密度関数が ,累積分布関数が で定義されるような分布から得た 個の確率変数 を小さい順に並べたときに, 番目に小さい値 を確率変数とする確率密度関数 が必要になります。 は次のように求めることができます。

まずは累積分布関数 を求めます。定義から, であるような が少なくとも 個であるような確率を求めればよいことになります。累積分布関数の定義から である確率と同値なので,

となります。

求めたいのは確率密度関数なので,累積分布関数を微分してやれば

となり,確率密度関数を得られました。

参考文献

更新履歴

  • [2011-07-29 08:00+0900] 確率密度関数の表記を少し変更。

脚注

  1. このような統計量を順序統計量と呼びます。 []